熊の被害がひどい。
心配になって父に連絡をした。両親は北海道の道東に住んでおり、蕗やアイヌネギ(行者ニンニク)、山葡萄を取りに山に入るのが大好きだ。もちろん熊スプレーをもってでかけるが、さすがに心配になる。
LINEの返信が帰ってきた。北海道の熊は約2万頭・30年前は1万頭で2倍になったこと。アライグマも同じで一度繁殖すると駆除するのは不可能なこと。農作物を食い荒らされて困っていること。ある知事の時にハンターや地方の反対を押し切って、動物保護団体にカッコをつけて、春熊の捕獲を禁止したこと。現行の法律では、だれも発砲できず、だれも責任を取らない、緊急事態に役に立たない法律で、あまちゃんばかりでこれで治安維持できるのか、と怒っている。
私も北海道生まれなので、ヒグマを見るのは慣れているが、さすがに知床や、羅臼岳に登った時に遭遇しただけで、街に降りてきて食料をさがす熊と遭遇したことはない。熊も冬眠前に必死なのだろう。羅臼岳を友人と登山中に、ハイマツの木の実を食べるヒグマの親子に会ったときは、さすがにまずいと思った。別の登山者が下のほうから大声で叫んでヒグマの位置を教えてくれて、とっさの判断で山頂側に引き返し、熊が去るのを待って下山した。「今どこにいますかー?」に「さっきあなたたちが居たところにいますよー!」と言われたときは震え上がったが、まだ若かったので少し無謀なスリルを楽しんだところもあったと思う。いま思えば、友人のほうが落ち着いていて、ベストな判断をしてくれた。熊は大きな声や音を出していれば逃げていくし、たとえ驚いて襲ってきたとしても、人間を食べることはなかったはずでは。熊も死活問題なのか。今となっては食べられる恐怖のほうが大きく、登る気になれない。でもいつか、また山頂に登って、ほとんど自然のままの知床の山とオホーツク海を眺めたい。山頂にたつとまん丸い地球の上にちょこんと立ったみたいだった。

コメントを残す